前方を走る自動車が遅い時など、追い越しをしたことのあるドライバーは多いでしょう。

追い越しをすることは特に問題はありません。
しかし、追い越し禁止の場所などでは当然ながら処罰の対象となります。

今回は、追い越し禁止の場所と違反した場合の行政処分などについて考えてみます。

追い越し禁止に関する法律

道路では、追い越しが禁止されている場所や状況があります。

「道路交通法」
第26条の2(進路の変更の禁止)

1.車両は、みだりにその進路を変更してはならない。

2.車両は、進路を変更した場合にその変更した後の進路と同一の進路を後方から進行してくる車両等の速度又は方向を急に変更させることとなるおそれがあるときは、進路を変更してはならない。

3.車両は、車両通行帯を通行している場合において、その車両通行帯が当該車両通行帯を通行している車両の進路の変更の禁止を表示する道路標示によつて区画されているときは、次に掲げる場合を除き、その道路標示をこえて進路を変更してはならない。

一 第40条の規定により道路の左側若しくは右側に寄るとき、又は道路の損壊、道路工事その他の障害のためその通行している車両通行帯を通行することができないとき。

二 第40条の規定に従うため、又は道路の損壊、道路工事その他の障害のため、通行することができなかつた車両通行帯を通行の区分に関する規定に従つて通行しようとするとき。

これらに違反した場合、5万円以下の罰金に処されます。(第120条第1項第2号、第3号)
なお、過失の場合も同様です。(第120条第2項)

追い越しの方法に関する規定とは?

追い越しをする際の方法について、道路交通法では次のように規定しています。

第28条(追越しの方法)

1.車両は、他の車両を追い越そうとするときは、その追い越されようとする車両(前車)の右側を通
行しなければならない。

2.車両は、他の車両を追い越そうとする場合において、前車が第25条第2項又は第34条第2項若しくは第4項の規定により道路の中央又は右側端に寄つて通行しているときは、前項の規定にかかわらず、その左側を通行しなければならない。

3.車両は、路面電車を追い越そうとするときは、当該車両が追いついた路面電車の左側を通行しなければならない。ただし、軌道が道路の左側端に寄つて設けられているときは、この限りでない。

4.前3項の場合においては、追越しをしようとする車両は、反対の方向又は後方からの交通及び前車又は路面電車の前方の交通にも十分に注意し、かつ、前車又は路面電車の速度及び進路並びに道路の状況に応じて、できる限り安全な速度と方法で進行しなければならない。

これに違反した場合は、3月以下の懲役又は5万円以下の罰金に処されます。(第119条第1項第2号の2)

追い越しが禁止されている場所とは?

道路交通法第30条では、次のような場所での追い越しが禁止されています。

・道路標識等により追越しが禁止されている道路の部分
・道路のまがりかど附近
・上り坂の頂上附近
・勾配の急な下り坂
・トンネル(車両通行帯の設けられた道路以外の道路の部分に限る)
・交差点、踏切、横断歩道、自転車横断帯及びこれらの手前の側端から前に30メートル以内の部分

これに違反した場合は、3月以下の懲役又は5万円以下の罰金に処されます。(第119条第1項第2号)

追い越し違反の場合の違反点数と反則金額

追い越し違反は「交通反則通告制度」の対象になっているため、一定期日までに反則金を納付すれば公訴されることはありません。

罰則は次のようになっています。

違反点数:2点
反則金額:大型車12000円
普通車9000円
二輪車7000円
原付車6000円

追い越しをする際は交通ルールを守り、安全運転を心がけるようにしてください。

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